MD事業急成長、今、飛躍するか衰退するかの岐路!<2><2>定型仕事の繰り返し脱皮、全社「CHASMを越える!」

「ライセンス・ビジネス」市場で最も成功した事業社の一つ、ウォルト・ディズニー  の物語についてポイントを触れたいと思います。

一言で表現すると、「変化と危機を、飛躍の機会に変えた」企業です。

1.最初にウォルト・ディズニーが創業したラフォグラム・フィルムは、製作したアニメフィルムにつき、納品先からの回収が甘く、キャッシュフロー管理に失敗し倒産。

*「入るを量りて 出ずるを制す」という営業会計の基本ができておらず危機を招いた!

この失敗で猛省したウォルトは、会計を、信用でき実直な実兄、ロイ・ディズニーに任せ、ディズニー・ブラザーズ(後のウォルト・ディズニー・カンパニー)を創業しました。

会計の基盤を固めたという事です。

2.ここで受託製作した、幸せウサギの「オズワルド」が人気を博し、事業は順調に成長しました。ところが、この製作した「キャラクターの権利保有」の契約を交わしていなかった為、事業が軌道に乗った途端、キャラクター権を保有する配給会社にキャラクターを奪われ、製作受託の契約も失う事になりました。

「ウサギ」を失ったウォルトは、信用できるコア・スタッフと第二の創業を期し、新たなキャラクターを生み出します。今回は、しっかりキャラクター権、コンテンツの権利を押さえ、更に、その活用によって権利ビジネスの基盤と成します。

「瓜型の身体に大きな耳。鼻を伸ばせば、ネズミになった」。ウォルトは、キャラクターにモーティマーと命名しましたが、奥さんにミッキーが良いと言われ、その通りにしました。新キャラクター、ミッキー・マウス主役の「蒸気船ウィリー」の大ヒット後、ウォルト・ディズニー・カンパニーの快進撃が始まります。自社のライセンス事業というコア・コンピタンスを得たという事です。

3.成長に於けるジレンマ、不足がちになるキャッシュは、先行投資に常に必要。解決すべく資金調達の為、株式上場を行います。上場後は、大企業としてのコンプライアンス、システマティックで管理過剰な中で、本質的なアニメ製作が機械的になってしまいます。アニメ製作の原点にあった、本来のイノベーションが発揮できなくなりました。

その時から ウォルトは、会社の裏庭を走る、跨いで乗る「玩具の汽車」づくりに没頭します。遊びの中で、親子で安心して遊べる遊園地づくりを思い付きます。更に、その遊園地では、ディズニー・アニメを3Dとして立体的に再現し体験させる、という着想を得ます。

第三の創業を期し、信用できるコア・スタッフと共に「ディズニーランド」のコンセプトをつくります。工事資金は、興隆しつつあった新たなメディア「テレビ」、三大ネットワーク、ABCから番組提供とバーター条件で調達します。

ABCで放送する、お披露目を兼ねた番組連動の下、毎週、この遊園地の事前プロモーションを徹底、満を持し開業に至ります。

過去のビジネスの延長にない、新たな事業のイノベーションの実現です。

ディズニーランドを立ち上げてはじめて、事業は銀行からの借り入れとその束縛から解放され、歴史的な巨大エンターテインメントグループを実現しました。

(後日談として、ディズニーランドの出資者であった ABCは、ウォルト・ディズニー・カンパニーから買収され、その子会社となります。ある種、米国では、制作会社が番組の権利を押さえ、テレビ局は、所謂、番組を流すのみの「土管屋」に徹します。放送インフラサイドは、コンテンツの権利を押さえていない弱みが時代に乗れなかった一因です。)

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危機や変化には、「既存のやり方は限界である」という警告が隠されています。

今後、起き得る日本の3つのリスク、直下型地震、通貨下落、地政学的リスクに関して、先手を打った対応が必要です。個々スタッフも「当事者」として、自らの領域プラスαで付加価値を生み出す必要があります。

現在進めるイノベーションについて。

・自然素材と「和」のコンテンツは、国内外を繋ぐ仕入と販売のラインづくりに役立ちます。

・いま一つのテーマ、「資本の保全」は、変動する「通貨」からニュートラルになる為に必要。

・現在成長するMD事業は、事業基盤を盤石にしつつ海外の拠点化により成長の力を蓄えます。

TOKYO 2020の年は予測通り、国内外のあらゆる局面に於いて一つの変化、ターニングポイント。ICAは、この機を第二の創業期と位置付けました。2022年、営業に於いて編成スタッフの退職を機に当補充をせず、新規ロジスティックを立ち上げ、編成から分離しました。編成とロジスティックが分離して動く事により、相互に相乗効果を生み、MD事業の立ち上がりに貢献しています。又、2022年年末、管理スタッフの退職を機に、管理の体制固めを目指し、営業事務による情報整備を進めています。

成長のプロセスに於いては、変化と危機は必須であり、ターニングポイントとなります。全ての企業に於いて、飛躍と成長は、危機と変化を境に生まれます。